ゼロらのスタート

 12年間務めた学校を異動し、新しい学校でスタートを切りました。システムも設備も何もかもが違う中で、自分にできることをコツコツとやってきたこの1か月半。全くのゼロからのスタートです。

 子供たちとの毎日は楽しく、様々なピンチがあっても、それをチャンスと捉えてやってきました。ホワイトボード・ミーティング®やPA、そしてマインドマップ®も取り組んでいます。じわじわと自分の実践を周りに広めていけたらと思っています。

 ホワイトボード・ミーティング®を通して子供たちの人間関係を温かいものにしていく、そしてアセスメントしながら成長を見守る、そんな1年にしていきます。

 ホワイトボード・ミーティング®の「聞いて書く」をクラスで初めてしたときのこと。子供から、「自分のことをちゃんと聞いてくれている気がして、認めてもらって嬉しかった。」という感想がありました。まさに、その通り。認めてもらうことで、エンパワーされ、温まっていくのだと改めて思いました。

 今、一番強く考えていることは、「自立して学ぶ」ということです。概念型探究を学んでから、「自立した学び手」について自分の考えがクリアになってきました。先生の答えを探すのではなく、自分で答えを見付け出すことや、自己修正していくことの大切さなど、今までも思っていたけれど、なんとなく漠然としていたものが、だんだん言語化することでクリアになってきました。

 授業が楽しいと思えることが意欲の高まりを生み、学ぶ力につながっていく。当たり前のことだと思いながらも、具現化していくためには言語化していくことが必要だなと感じてます。今年度は概念型探究×ホワイトボード・ミーティング®を通して、自分の考えをまとめていきたいと思います。

 ブログも少しずつ投稿していきたいな…と、自分に言い聞かせて…。

昨年を振り返って

コロナウイルス感染症で学校も大きく変わった。休校もあり、分散登校もあり、いろいろ大変だったが、子供たちが登校することができた。

昨年のことを少し振り返りたいと思う。

まずは1学期 ①ホワイトボード・ミーティング®

1学期は国語の授業で主に取り組んだ。子供たちはホワイトボード・ミーティング®に取り組んで6年目の子も多くいる。途中、中学年で取り組まなかった子もいるが、4年間は全員取り組んでいる。なので、ペアトークはもちろん、企画会議などもスムーズに行えた。机を離したり、座る場所を考えたり、ソーシャルディスタンスを保ちながらも温かい雰囲気で話すことができた。積み重ねの大切さを感じた。

 国語の単元「みんなで楽しく過ごすために」を縦割り活動とからめて取り組むことにした。1年生を学校探検に連れていくという活動をこれにあてた。「1年生が学校が楽しそうと思える学校探検を企画しよう。」と話し合い、準備。手をつなげない、あまり近づいて話せない、そんな条件の中でも、スタンプラリーを用意したりメダルを作ったり、その教室の先生の写真を撮って見せたり、様々な工夫をしていた。縦割り遊びも一度だけできたが、この方法で行った。 また、1年生にペアトークのモデルを見せるという活動もした。朝学習の時間を使って、6年生が丁寧にペアトークのやり方を教えた。とても微笑ましい光景だった。 ②マインドマップ®

 マインドマップは5年生から取り組んでいる。今までは私が板書して見本を書くことも多かったが、今年度は子供たちが自分で好きなようにまとめている。必要な項目や言葉はおさえ、あとは自分でどうぞ!という感じ。見ごたえのあるマインドマップ®が続々と出てきた。子供たちの力のすごさを感じた。マインドマップ®はノートに書くのが苦手な子でも楽しんで書くことができる。租税教室で話を聞きながらマインドマップ®にまとめる子も出てきた。自分からどんどん使えるようになっている。 ③クラス通貨

 フリーランスティーチャーで活躍されている田中光夫さんの本で知り、取り組んだ実践。今まではお金のために頑張るのはどうなんだろう…と思っていたが、やってみると効果抜群だった。 今まで係りの仕事や当番をなかなかやらなかった児童も、率先してやっている。しかも楽しみながら。この方法はとても楽しい、みんなのやる気もアップすると子供たちは言っていた。

 通貨の単位は「よっしー」にした。係の仕事をすると1よっしー、テストで100点取ると1よっしー、などとみんなで考えて使い道を決めた。 給食のオークションは楽しい。あまった冷凍ミカンをおかわりしたい人はオークション。「5よっしー、6よっしー・・・10よっしー、15よっしー!」1度牛乳が20よっしーになったことがある。唐揚げは、何と85よっしー!また、子供たちの企画で「よっしージャンボ宝くじ」が毎週行った。1枚2よっしーで買い、当選するとよっしーがもらえる。毎週盛り上がるので、とても楽しい。 友達に手伝ってもらったときにお礼として渡していることもある。自分の気持ちとして渡している。 こういうやり取りは賛否両論あると思うが、子供たちの反応や様子を見ていると、楽しい!に尽きる。 ③生活指導夕会

これは職員の話。毎週行われている生活指導夕会を、ペアトークで行ってから全体共有にしている。ペアは毎回くじで決め、自分のクラスで心配なことなどを話している。定例進捗会議の2人版。これも温かい雰囲気に包まれてなかなかいい感じだ。

④模擬授業検討会 これも職員の話。模擬授業を行い、学習者の目線で授業を検討する。これは2年目の取り組み。若手もベテランも関係なく、学習者になって話し合えた。 分散登校明けは、あっという間の1学期だった。 そして、6年担任の時には必ず用意する愛だるま。卒業式に目を入れよう!と教室に飾った。 f:id:akika-ainoarukurasu:20210115213143j:plain

水泳の心得

 今年度、コロナウィルスの影響で、水泳指導がなくなった。しかし、新学習指導要領の「内容の取扱い」には、下記の内容が書かれている。

小学校

 「水遊び」「浮く・泳ぐ運動」及び「水泳」の指導については、適切な水泳場の確保が困難な場合には、これらを取り扱わないことができるが、これらの心得については、必ず取り上げること。 

 

 つまり、水泳指導はなくても、水泳の心得については指導を行うこととなっている。そこで、心得について指導をする際に、先生方が参考になる資料を用意した。

 資料は日本ライフセービング協会が作成しているもの

elearning.jla-lifesaving.or.jp

 

と、政府広報オンラインのサイトを参考にして作成した。

 資料は先生方用だが、スライド(パワーポイント)を児童向けにも作成した。ぜひ水泳指導がなくなった学校は、やってほしい。

 今年の夏休みはどうなるか分からないが、子供たちが安全に水遊びができるよう、指導しておきたい。

 

  

 

   

通常授業が始まります

  休校が明け、全員登校が始まった。来週からは6時間授業が毎日となる。

 6年生のリスタートとなったが、全員がそろうと子供たちは本当にうれしそう。やっとこの日を迎えることができたと思いながらも、あっという間にいつものクラスの雰囲気に。一緒にできることの幸せをしっかりと感じながら、そして授業が、学びが楽しいと感じられるように日々を過ごしていきたい。

 休校中もずっと書いていたジャーナル、そして練習していたホワイトボード・ミーティング®。そのせいか、ソーシャルディスタンスを保ちながらのペアトークも、スムーズで、落ち着いた雰囲気。このままぐんぐん伸びていてほしいと思った一週間だった。

 

 ちょっとだけクラスのことを紹介。

 今年度は、係(当番)の仕事を毎日くじ引きで行っている。休校中に見付けた記事からヒントをもらった。

 ※私は直接知らない方ですが、勝手に紹介してしまいました。

 毎朝、子供たちがくじを引き、なんの仕事をやるのかが決まる。あさのちょっとしたワクワクドキドキ。これはヒットだった。一番は、子供たちが自分の仕事をきちんと行うこと。毎日同じだと忘れてしまうことが多かったのだが、必ず忘れずにやっている。自分の係でなくても手伝ってくれる子もいる。「お休み」というくじが3本入っている。それもお楽しみ。本当は子供たちと考えたかったが、時間がなく私が作成。様子を見て内容も変えていこう。

 そして、「クラス通貨」にも取り組んでいる。田中光夫さんの

 の本に載っていた実践を参考にさせていただいた。この本は、たくさんの実践が載っている。読みやすくあっという間に読み終えてしまう。田中さんの子供たちへの思いが感じられる1冊だ。ぜひ、おすすめ。

 クラス通貨に取り組んでみると、子供たちのやる気がすごい。こんなに夢中になるのだと、驚いた。どんなことに還元していくのか、これからじっくり子供たちと話し合いたい。もう一つ、この本に載っていた自分のマーク。休校中に「マイゆるキャラ」を作り、ワッペンのようにして名札代わりに使う。それぞれの個性が出て、見ていて面白い。子供たちも気に入っている。

 

 PAはPAJの講座で、ソーシャルディスタンスを保ちながらできるアクティビティを教えていただいたので、もう少し落ち着いたらそれにもチャレンジしたい。

 やりたいことがたくさんある。しかし、今は少しづつ今までのペースに戻していくような気持ちでやっていきたい。

 

分散登校

来週から分散登校が始まる。子供たちを迎えるにあたって、ZOOMで会議を行った。

①企画会議「子供たちを迎える大作戦!」

 先日ホワイトボードミーティング®のセミナーで企画会議を行った。(株式会社ひとまち)その時にやった「子供たちを迎える大作戦!」を、学校でも先生方とやってみた。子供たちを迎えるにあたり、出来そうなことを出し合うアイデア会議だ。登校してくる子供たちの心のケア、そして体ほぐしをどう行うかを話し合った。たくさんの意見が出て、子供たちと会えることに、さらにワクワクしてきた。

 私が取り組もうと思っているのは

 ・朝ダンス(体操)・・・曲に合わせてみんなでまねっこ体操をする。

 ・絵本の読み聞かせ

 ・付箋メッセージ・・・半分ずつの登校なので、付箋に会えない友達へのメッセージ

            を書き合う。模造紙に貼って共有する。

 ・アイスブレイク

 ・ミニホワイトボードで遊ぶ    などなど。

 他の人の意見を聞いて、なるほどと思ったことがたくさんあった。学校の中に、企画会議のファシリテーターとして立てる人が6人いることも、心強かった。たくさんの先生がミニホワイトボードでいろいろやってみたいと言ってくれていたのも嬉しい。こうやって、みんなで話し合う機会を今年度はたくさんとりたい。

 

 ②役割分担会議「分散登校初日の流れ」

 学年の先生と、一日の流れを可視化してみた。こんな感じ。

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  いろいろなことがあっという間に決まり、写真を撮って終了。座席もどうするか決められたし、細かいところまで共有できた。こんな風に使うと、ホワイトボードミーティング®の良さを改めて感じる。

 あとは、学校へ行って校内消毒。ゴム手袋は使い捨てだとすぐに破れるので、ちゃんとしたゴム手袋がいいらしい。

 6時間の授業、体力もつかな…。

子供たちとつながる

 先日、休校中の課題を集め、新しい課題を配布した。久しぶりに子供たちと会えて、本当にうれしかった。

 今回は「振り返りジャーナル」を書いてもらっていたので、さっそく読んでみた。読んでみると1か月、子供たちがどんな気持ちで、どんな様子でいたのかがよくわかる。

 1ページずつ、いつものように「うんうん」「ね!」「なるほど!」などとコメントを書く。29人の子供たちがこの1か月書いたジャーナル。土日まで書いている子が多かったので、コメントを付けるのは大変だと思っていたが、意外とあっという間に読み終えていた。読んでいてワクワクしたし、久しぶりに子供たちの気持ちを読むことができ、温かい気持ちになった。

 この子たちは1年生から振り返りジャーナルに取り組んでいる。もう毎日書くことには慣れている。ああ、当たり前になっているんだなと改めて実感。

 ちなみに、振り返りジャーナルについてはこちら。

 

 読んでいて感じたことをいくつか。

①子供たちは、思った以上に前向きに、そして自分で学んでいた。電話(グループLINE)やスカイプなどで学び合をしていた子もいる。一緒にやることで、頑張れた子もいたようだ。一人でも、自分で計画を立て、やっていることがほとんどだった。

②だんだん気持ちが辛くなるのかと思っていたが、自分なりの楽しみ方や工夫をしている子が多かった。そしてその経験が、「こういう時間もいいな。」「自分でできることを考えてやるのは楽しい。」などという気持ちに変化しているようだった。

③友達と一緒に学ぶ楽しさを改めて感じ、学校での学びについて考えている子が多かった。

④とはいえ、ずっと自宅にいるので、だんだん書くことが少なくなる子も数名いた。それも大事な情報。きっとつらかったんだろうなと思う。

⑤コメントを付けたので、やはり返したいと思い、ポスティングすることにした。学年で12人ぐらいのジャーナルを学年通信に載せ、一緒に投函する予定。友達がこんな風に工夫しているんだな、とか友達とつながっている感じがするかなと思ったから。こんな風に一緒に取り組んでくれる学年の先生にも感謝。

 

 やはり、分散登校が始まったら、子供たちの気持ちをしっかりとほぐしてあげることから始めたい。授業よりもまず、たくさんの気持ちを共有し、それからスタートしよう。強くそう思った。

 今は、もう一冊のジャーナル(2冊目)を使い、子供たちは書いている。今度また学校へ来たら、1冊目に書いてもらい、コメントを付けていく。こんな時だからこそ、子供たちとつながれる一つのチャンスとして大事にしたい。

 振り返りジャーナル、やはり最強!

 

休校中の課題 その2

休校中の課題をまとめてみた。(前回とかぶっている内容もありますが、お許しを!)

学年の先生が、一緒に楽しんで考えてくれるから、本当にありがたい。

 

①ホワイトボードミーティング®で毎日ペアトークをする。

 ラミネートした白い紙を配布し、毎日ペアトークをする。できたら、聞いて書くまで。昨年度もずっとやってきたから、子供たちでできると判断。

②算数進度表作成

 算数の単元を進度表を見ながら進める。もし休校にならなかったら、そのまま授業で使おうと思っていたもの。学び合いで使える。あとは、eラーニング(オンライン学習)を進めたい子はやってみる。

③国語進度表作成

 辞書引きと漢字練習→教科書の課題→五色百人一首の練習の流れで行う。

 辞書引き、漢字貯金(漢字ドリルはもう4月中に終わらせている。意味、部首、読みをプリントとセットでやっている。)教科書は音読やミニ単元に取り組みが中心。音読のタイムトライアルも入れてみた。

 5色百人一首は、4月中に全部のセットをきれいに直した。(結構バラバラだったから…。)少しでも覚えて、家族で対戦したら楽しいかもと考えて。

④理科、社会、英語進度表

 この3教科は1日に2教科取り組むように設定。理科と社会はプリントや実験グッズのまとめなど。英語は、教科書についているQRコードを読み取って、リスニングの練習。(今のことろ、QRコードは全員読み込める。)

⑤チャレンジ50

 軽井沢風越学園の先生のチャレンジ100の投稿を見て真似したもの。3マスはあけておいて、自分がやりたいチャレンジを書く。これ、作るの楽しかった!なので、子供たちと作るのもいいかも。夏休みや冬休みの課題で一緒に作ってみたい。

⑥図工と音楽の課題

 専科の先生から出されたもの。

⑦振り返りジャーナル

 実は、4月の休校中も書いてもらっている。今回は4月分を集めて、もう一冊別のものを渡して5月分を書いてもらう。ずっと続けているジャーナルだから、子供たちは当たり前にやる。でも、毎日のフィードバックができないのが残念。せめて1週間に一度はフィードバックしたい。

 教科の内容にプラスしてeラーニングというオンラインの学習も全校に提示している。先生がどれくらいやっているか見ることができ、コメントを(クラス全体へだが)返すこともできる。メールに「先生が見たときにコメントを書いているよ。」と入れたら、さっそくやり始めてくれた子も多かった。全学年の問題ができるので、復習にも使える。

そして・・・

⑧生活表

 教育委員会から、生活表を作るようにと言われた。時間割表みたいなものを作り、自分で立てるのが心配な人用に作ったもの、自分で計画を立てたい人用に表だけのもの、2種類用意して、どちらか選べるようにした。

 

 最後に、学年の先生と相談して、お手紙を子供向けに入れることにした。全員へ向けてだが、今の思いを伝えたいと思う。前回も入れてみた。そうしたら、返事をくれた子もいて、うれしかった。

 

 本当は自分で好きなことに取り組む時間も確保したい。やりたい子は、という形でのチャレンジとなった。

 先日、職員が行ったZOOMでの会議を教育委員会の方たちが見学に来た。興味をもってくださり、昨日は全家庭へのICT機器環境についてのアンケートがメールで配信された。もしかしたら朝の会や帰りの会などをオンラインでやることも可能になるかもしれない。(難しいかな…。)

 今後どうなるかわからないが、やれることをやる!しかないと思う。周りの先生方と情報交換しながらやっていきたい。