校内研究のあり方

 自宅勤務になり、いろいろな本を読もうと購入した。私は今年度も研究主任になり、1月に研究発表を行うことになっている。(コロナウイルスの影響でどうなるかわからないが。)そのため、校内研究に関する本を何冊か読んでみようと思った。


 まず読んだ本は『「校内研究・研修」で職員室が変わった!』である。

  この本は、本当に面白かった。久しぶりにあっという間に読み終えた。

 東京都小金井市にある小金井三小の軌跡である。研究主任の村上聡恵さんと、講師として伴走した岩瀬直樹さんが、2年間どのように校内研究を進めてきたのかが、分かりやすく書かれている。

 「教師の学びが変われば、子供たちの学びにつながる。」とよく聞くが、それを学校として実践することは本当に難しい。どの学校でも試行錯誤しているところだと思う。それを実現した学校だ。

 読んでいて感じたのは、何より先生方一人一人が深く振り返り、たくさんのことを共有しながら、自分たちで様々な課題に向き合っているということだ。それぞれが感じたことを、しっかりと自分の言葉で表現している。とても素敵だと思った。

 また、村上先生が一人一人の先生方に寄り添い、信じていることが伝わってきた。先生方の話に耳を傾け、どうすればいいのかを考えている。見事なファシリテーターだ。共に歩んでいるという実感を感じていたのだと思う。

 本音で語ることの大切さ、自己開示(私はいつも自己開示しているが…。)の大切さ、そして信じることの大切さ。これは学級経営においても大切なことだ。だからこそ、この学びが子供の学びにつながっているのだと思う。

 そして、伴走者の岩瀬さんが素晴らしい。講師というよりも、まさに伴走者だ。彼が村上先生に問うていることが、そのまま学びになっている。「一緒に校内研究をつくってきた」という村上先生の言葉が全てを物語っている。

 私は、研究発表当日も参加したが、とてもよい研究発表だった。先生方が楽しそうに、生き生きとしている研究だった。何よりもそれが一番大切なのだと思う。

「先生方が学び続ける組織に変わった」と感じられることは、学校としてとても幸せなことだと思った。

 この本を読んで、ああ、自分はまだ本気になっていなかったなあと思う。

 私の学校でも、この「教師の学び」を大切にしている。職員室の雰囲気は明るく、先生方の信頼関係やコミュニケーション量は良いほうだと思う。それでも、悩むことは多い。まだまだ対話する必要がある。対話することが楽しい、もっと一緒に考えたい、と思えるような職員室にしていきたい。(今の状況では対話自体が難しいが…。)

 「学んだことの証は、ただ一つで、何かがかわることである。」 (林 竹二『まなぶということ』国土社95頁) は、私の好きな言葉である。この学校が、学び続ける組織に変わったというのが、学んだ証になる。私もそんな職場を作りたい、強くそう思う本だった。