愛のある学校

NHK発達障害のシリーズを見て、いろいろと考えました。あのシリーズは本当に良かったです。NHKforスクールみたいにホームページで見られるようになるといいなぁ。 特別支援学級の担任だった頃には、たくさんの本を読んだり、研修会に行ったりしましたが、どんな困り感があるのかを本人から聞いたり、どんな感じなのかを聞いたりしたことはなく、ここ何年かで本やテレビなどで知りました。これは理解するうえで、すごく大切なことだと思います。NHKの番組では、当事者の声を大切にしていました。とても分かりやすかったです。 ただ、視聴者がどう受け止めてどう考えたのか、そこが一番大切です。だから教育現場で話せる機会があればいいなと思いました。 学校は「みんなと同じでなければならない」という考えが強く、一人一人を大切にしようと言いながら、「みんなのために」「みんなのことを考えて」と、言って、違うことをする子を非難し、心を冷ましてしまうことが多くあります。大切なのは、なぜそうするのかということを、周りの人が考えることだと思うのです。教師の中にも、発達障害についての理解が薄く、子供たちを追い詰めてしまう人もいます。もちろん、私も「あぁ、声のかけかたを間違えたなぁ。」と反省することがあります。でも、理解(アセスメント)したいという気持ちはいつも大切にしようと心にとめています。だから、どう伝えるのが一番いいのか、どう支援していけば、学校で生活しやすいのか、考えて実行します。 音読が苦手な子に、どんな感じに見えるのかを聞いたら、「チカチカして字が消えたりまた出たりする。」と言われました。白と黒のコントラストが辛いのかもしれないと思い、薄いピンクのシートを被せて読んだら「読みやすい!」と言って、それから使っていました。音読が苦手なのは、みんな授業で聞いていたからよくわかっています。だから、「読みやすくなるんだよ。」と話しておきます。「本当だ!」と、シートを欲しがる子もいて、その子にも渡したり。そうやっていろいろな工夫でクリアしていけばいいと私は思います。 どうしても、すぐに忘れてしまう子にはどうすればいいのか、すぐにイライラする子にはどうすればいいのか。考えていくことが大切なのだと思います。 学校は同じことをする場所ではない。自己選択する場所であること。でもそれは自分勝手とは違い、責任がある。それが出来れば、クラスの中で共に学ぶことが楽しくなる。自分は自分でいいと認めてもらうことができたら、他者との繋がりも自然とできてくる。心が温まれば、人は成長する。 そんなことを子供たちや先生たちに伝えながら「愛のある学校」を目指します。