子供たちへの支援を考える
愛着障害について、これまで詳しく学んだことがなかった。特別支援学級の担任をしていた時も、自分が子供をアセスメントし、どうしたらいいのかを考えながら自分の感覚や直感みたいのものを頼りに子供たちに接してきた。失敗もあったし、失敗から学び、次につながることも多かった。たくさんの試行錯誤をしてきた。その経験があったからこそ、今の自分がいると思っている。
今回「やさしくわかる! 愛着障害ー理解を深め、支援の基本を押さえるー」(米澤 好史著)の本を読んだ。
読んでいて、「ああ、確かにそうだ」とか「あの子もそうだった」と自分の中にすとんと落ちるものがあった。ぜひ、本校の先生方にも読んでほしい!そう思いで、校内研修で取り組んでいるブッククラブの本に取り入れた。(以前のブログにも紹介したが…。)私も、もっと早く出会いたかったなあと思う。
私は、子供の困り感に寄り添う教師てありたいと思っている。今は、学校で困り感のある子供たちを見回ったり、担任にアドバイスしたりする立場になった。ついつい、自分がその子と関わりをもち、何とかしようとしてしまう自分がいる。この本にあるように、「キーパーソン」を誰にするかによって、周りの先生方の対応が大きく変わってくる。担任がキーパーソンだったら、しっかりとサポート対応する立場として、子供たちに関わってこうと思った。
私が今の学校に勤務してからずっと低学年のサポートをしてくださっているスーパー教師がいる。初めて1年生を担任した時に、本当にお世話になった。こんな風に子供たちを関われたらと、毎日勉強になった。その先生は、常に私(担任)がやりやすいような、子供たちが担任を信頼できるような声かけをしてくださっていた。この本を読んだ時に、その先生が頭に浮かんだ。私もそんなスーパーサブとして、困っている先生のサポートをしていきたい。もちろん、自分がキーパーソンになったら、子供の感情を育む教師になる、そう思える本だった。
とにかく本当に分かりやすい。いつか米澤先生の講演を聞いてみたいなぁ。
校内研究の本 No.2
研究関連の本2冊目。
授業づくりネットワーク№34「授業研究」を真ん中において職場をつくる!
代表の石川晋先生が「授業づくりと職場づくりを切り結ぶ場所として校内研修が機能し始めている」と書いているように、様々な学校の校内研修の様子が様々なスタイルで書かれている。とても参考になった。
やはり大切なのは対話なのだと思う。職員が対話しながら進めていくことで、学校が変わっていく。校内研究で授業が変わっていく。研究授業のための研究ではなく、日常の中にどれだけ落とし込んでいけるか、それが大切なのだと再認識した。
特に気になったのは、神奈川県横浜市立山田小学校の取り組みと、秋田県と福井県の取り組みを書いた記事である。
①山田小学校に取り組み
研究主任の「モヤモヤポイント」である、「校内研修が自分たちの学びや日々の教室につながっているという実感がない」という言葉。石川晋先生が講師として入ることで、その言葉が劇的に変化する。いろいろな問いと、それに対する答えをたくさんの対話の中から探していく。そんな作業が本当に楽しそうで、頷きながら読んでいた。
本校にも昨年度講師として石川晋先生に来ていただいた。学ぶことが多く、でも安心して学べる環境が晋先生にはある。晋先生自身が学びを楽しんでいるというのが、私たちにも伝染してく感じが心地よかった。
最後に書かれている「この「学び」の多い校内研修を、私たちはどう進化させていったらよいのか考えていきたい」という言葉に、前回紹介した小金井三小の話が思い出された。
学校文化についてのアンケートが興味深かった。学力が高い県の先生方は協働性が高く、意見交換をすることが習慣化している。また授業を見合うことも日常的に行われている。ポジティブな文化が高く、ネガティブな文化が低いというのも興味深かった。自分の学校でもアンケートを取ってみたいと思った。また、「有能な管理職は学級経営をするように学校経営をする」という言葉も同感だった。信頼関係を築くことは、何よりも大事なのだと思う。
私の中の校内研究のテーマは「日常化」である。今年度、本校はホワイトボードミーティング®の開発者である、ちよんせいこ先生(株式会社ひとまち)と、渡辺貴裕先生(東京学芸大学教職大学院准教授)に講師として来ていただく。先日、研究についてお二人と研究部のメンバーで一緒に相談させていただいた。「研究主任として、この研究のテーマは?」と聞かれ、話していくうちに自分は「日常化」を大事にしたいのだと思った。 その後休校になった。コロナウイルスの影響で、対話ができない今、研究がどうなっていくのか先が見えないが、この学びのチャンスをしっかりと生かしたいと思う。そして、「研究楽しかった~!」となる、ワクワクドキドキのチャレンジをしていきたい。
校内研究のあり方
自宅勤務になり、いろいろな本を読もうと購入した。私は今年度も研究主任になり、1月に研究発表を行うことになっている。(コロナウイルスの影響でどうなるかわからないが。)そのため、校内研究に関する本を何冊か読んでみようと思った。
まず読んだ本は『「校内研究・研修」で職員室が変わった!』である。
この本は、本当に面白かった。久しぶりにあっという間に読み終えた。
東京都小金井市にある小金井三小の軌跡である。研究主任の村上聡恵さんと、講師として伴走した岩瀬直樹さんが、2年間どのように校内研究を進めてきたのかが、分かりやすく書かれている。
「教師の学びが変われば、子供たちの学びにつながる。」とよく聞くが、それを学校として実践することは本当に難しい。どの学校でも試行錯誤しているところだと思う。それを実現した学校だ。
読んでいて感じたのは、何より先生方一人一人が深く振り返り、たくさんのことを共有しながら、自分たちで様々な課題に向き合っているということだ。それぞれが感じたことを、しっかりと自分の言葉で表現している。とても素敵だと思った。
また、村上先生が一人一人の先生方に寄り添い、信じていることが伝わってきた。先生方の話に耳を傾け、どうすればいいのかを考えている。見事なファシリテーターだ。共に歩んでいるという実感を感じていたのだと思う。
本音で語ることの大切さ、自己開示(私はいつも自己開示しているが…。)の大切さ、そして信じることの大切さ。これは学級経営においても大切なことだ。だからこそ、この学びが子供の学びにつながっているのだと思う。
そして、伴走者の岩瀬さんが素晴らしい。講師というよりも、まさに伴走者だ。彼が村上先生に問うていることが、そのまま学びになっている。「一緒に校内研究をつくってきた」という村上先生の言葉が全てを物語っている。
私は、研究発表当日も参加したが、とてもよい研究発表だった。先生方が楽しそうに、生き生きとしている研究だった。何よりもそれが一番大切なのだと思う。
「先生方が学び続ける組織に変わった」と感じられることは、学校としてとても幸せなことだと思った。
この本を読んで、ああ、自分はまだ本気になっていなかったなあと思う。
私の学校でも、この「教師の学び」を大切にしている。職員室の雰囲気は明るく、先生方の信頼関係やコミュニケーション量は良いほうだと思う。それでも、悩むことは多い。まだまだ対話する必要がある。対話することが楽しい、もっと一緒に考えたい、と思えるような職員室にしていきたい。(今の状況では対話自体が難しいが…。)
「学んだことの証は、ただ一つで、何かがかわることである。」 (林 竹二『まなぶということ』国土社95頁) は、私の好きな言葉である。この学校が、学び続ける組織に変わったというのが、学んだ証になる。私もそんな職場を作りたい、強くそう思う本だった。
休校中の課題
休校中の課題 その1
昨日は新型コロナウィルス対策のための休校措置が発表された。一日、学年の先生と課題について話し合い、課題作り。
先日、ひとまちの学級スタートセミナー(オンライン)で、コロナ対策のために休校中どんな課題を出すか、アイデアを出し合った。
その中に、リコーダーの練習て、「流行りの曲やCMソングなどを楽譜におこして楽しく練習する」というアイデアが。
早速、音楽専科の先生にお願いしたら、快くOK‼️今年からいらっしゃった先生、パソコンのソフトで素敵なプリントを作ってくださった。
子供達が好きな
①ディズニーの「ホール・ニュー・ワールド」
②「ミッキーマウス・マーチ」
③「紅蓮華」鬼滅の刃の曲
④「Pretender」Official髭男dism
などなど…。
サビの部分のみ。みんなが耳にしたことがありそうな所を楽譜にしてもらい、プリント。
また、図工の先生には、「自分のゆるキャラ作り」のモデルをかいていただく。私の好きな「愛」という言葉を使って、可愛いクマのキャラクターが完成!5月にみんなで見合うのが楽しみ。
パッと作るなんて、すごい!専科の先生はお二人とも来たばかりで、しかも新採。あれこれ頼んでしまったが、一緒にお仕事できたので、よいコミュニケーションが取れた。
課題を綴じる時も専科の先生方や手の空いている先生方がすぐに手伝ってくださる。そんな温かい職員室。
子供達がワクワクしながら取り組んで、「じゃあ、この歌もやってみよう。」「これも描いてみよう。」と、自分の学びに広がればなぁと思う。
校内研究 その3
【研究授業後の協議会】
今年度は、研究協議会も対話型模擬授業検討会のやり方で行ってきた。
先生方を4つのグループに分け、それぞれが観察する児童グループを決めた。協議会では、そのグループにあったことを中心に話し合い。
Do、Think、Feel、Wantの4項目に対して、授業者と学習者の観点から話していった。
学習者の観点で授業を見ることがだいぶ意識されてきたが、「もっとこうした方が。」という意見になってしまうこともある。
そこからどんな問いだてをして、話し合っていくのかは、スキルが必要だ。年間で模擬授業と合わせると8回行ってきたが、まだまだわからない事や、学ぶことがたくさんある。やはりこういった視点を日常的に意識して授業を作ることが大切なのだと感じた。
新年度は協議会のやり方をもう一度考えてみたいと思っている。どうするかはまだ考え中。協議会で何を求めるのかをもう一度考えて話し合いたい。
新年度はホワイトボードミーティング®︎を軸に授業を組み立てていく。先生も子供達もファシリテーターになる、そんな学校にしたい。
校内研究その2
【ブッククラブ】
先生方が4人グループに分かれてブッククラブを行った。本は6種類。年間で3冊の本を読み、語り合った。読んだ本は…
①授業づくりの考え方
②みんなの教室
③マンガで知る教師の学び2
④あかはなそえじ先生のひとりじゃないよ
⑤「みんなの学校」が教えてくれたこと
⑥「対話」がクラスにあふれる!国語授業・言語活動アイデア42
先生方の希望を調整してグループを作る。それぞれが本を読んできて、集まって対話。みんなでワイワイ語り合うことができた。
研究分科会の時間は30分。終わってもまだ話すこともあった。やはり対話は楽しい。
やってみて感じたこと、
①初めは、何を話せばいいのか分からなかった人も、どんどん話すようになった。初めのころ、振り返りに「自分の思ったことが、合っているのか心配だった。」と書いている先生がいた。まさに、子供の心理と同じだなぁと。何を言っても大丈夫、尊重されるという安心感が、学びには必要だと再認識。
②日頃読まない本を読む機会ができた。(少々本の選別に偏りがあったが…。)
❸(今年度は一冊全部を読んで集まったため)早く読んでしまうと内容を思い出すのに時間がかかった。
❹読む時間の確保が難しく、負担に感じている先生方もいる。
来年度は、先生方の反省から、研究分科会の時間に読み、対話するという形で、一冊を数回に分けて行うことにした。
また、新しい本を購入。
・やさしくわかる!愛着障害
・よくわかる学級ファシリテーション①ーかかわりスキル編ー
新年度は新しい先生方も多くいる。1冊の本を通して、たくさん語り合う時間になるといいなと思う。
続きは次回に。
今年度の研究
今年度は研究主任になり、いろいろなことに取り組んだ。いくつか紹介したい。
【対話型模擬授業検討会】
研究授業の前に、対話型模擬授業検討会を行った。
東京学芸大教職大学院准教授の渡辺 貴裕先生をお呼びして、対話型模擬授業検討会について教えていただき、取り組んだ。本来なら、分科会でやってもいいのだが、今年度は全員で。例年だと研究授業の前に指導案をもらい、ざっと読んで参観。模擬授業を受けて学習者目線で考えると、当日の研究授業もより学習者目線になると考え、全員参加にした。
ちなみに
このQ&Aは、とても分かりやすい。やってきてモヤモヤしていたことが、かなり解決された。おすすめの一冊。(年度最後に出来上がったので、もっと早く見たかった!)
対話型模擬授業検討会を通して感じたことは
①教員同士がフラットな関係で話し合えるようになる。
②やってみて考えることができる。授業者がチャレンジしやすい環境。
③指導者と学習者の考え(感じ方)のズレが分かり、次につながる。
❹年に数回のため、なかなか学習者目線になりきれず、改善策ばかり話してしまう人がいる。 これは新年度の課題。
❺なかなか日常的に行うのが難しい。(こういうことを日常的にやれたらいい。) どう仕掛けを作るのか考えたい。
もう少し体験的に学ぶことが必要なので、来年度は毎回の対話型模擬授業検討会に渡辺先生に来ていただき行う予定。 渡辺先生のファシリテーターとしての在り方は、とても参考になる。
まだまだあるが、続きは次回に。